ベネチア国際映画祭の歴代の受賞作です。最高賞(作品賞)である「金獅子賞」(きんじししょう)などの一覧。
年 | 作品賞 | 詳細 |
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2024 | 「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」 | 詳細▼ |
2023 | 「哀れなるものたち」 | 詳細▼ |
2022 | 「美と殺戮のすべて」 | 詳細▼ |
2021 | 「あのこと」 | 詳細▼ |
2020 | 「ノマドランド」 | 詳細▼ |
2019 | 「ジョーカー」 | 詳細▼ |
2018 | 「ROMA/ローマ」 | |
2017 | 「シェイプ・オブ・ウォーター」 |
ベネチア国際映画祭は、イタリアのベネチア(ヴェネツィア、ベニス)で 毎年8月末から9月初旬に開催されています(ノミネートは7月発表)。 カンヌ、ベルリンと並び「世界3大映画祭」の一つとされます。世界最古の映画祭としても有名です。翌年の米アカデミー賞の前哨戦の第一弾と位置づけられています。 1932年に開始されました。日本人(日本映画)では、1997年の北野武監督の「HANA-BI」など3作品が金獅子賞に輝いています。 (アワード・ウォッチ編集部)
ベネチア国際映画祭は、翌年冬のアカデミー賞の前哨戦として注目されています。 しかも、主要な前哨戦の中で最も早く開催されます。 アカデミー賞の作品賞を狙う映画は、ベネチア国際映画祭で初めて公開されることが多く、 ここでの批評家や業界人の評価が、オスカー争いの行方を占ううえでの試金石となります。
日本映画は、金獅子賞を過去に3回受賞しています。「HANA-BI」(北野武監督)、「無法松の一生」(稲垣浩監督)、「羅生門」(黒澤明監督)です。 (歴代の日本人受賞者→)
部門 | 受賞作 |
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金獅子賞 |
「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」
ペドロ・アルモドバル監督 (スペイン映画) <予告編▼> |
審査員大賞 |
「Vermiglio」
マウラ・デルペロ監督 (イタリア、フランス、ベルギー) |
監督賞 |
「ザ・ブルータリスト」
ブラディ・コーベット (アメリカ、イギリス、ハンガリー) |
男優賞 |
バンサン・ランドン
「ザ・クワイエット・サン」 |
女優賞 |
ニコール・キッドマン
「ベビーガール」 |
脚本賞 |
「アイム・スティル・ヒア」
(ブラジル・フランス) |
日本からの主な出品 |
<オリゾンティ部門>
「HAPPYEND」 空音央(そら・ねお)監督 <イマーシブ部門> 「機動戦士ガンダム 銀灰の幻影」 鈴木健一監督 |
部門 | 受賞作 |
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金獅子賞 |
「哀れなるものたち」
ヨルゴス・ランティモス監督 (イギリス映画) 喜劇的なおとぎ話。 科学実験で死から蘇った女性が、自己探求の冒険に出る。 野心的な想像力と、面白みに満ちた奇妙さが、大絶賛を浴びた。 ヨルゴス・ランティモス監督にとって「女王陛下のお気に入り」を超える出来栄えとの声が相次いだ。 また、主演エマ・ストーンについても、「ラ・ラ・ランド」を上回るキャリアベストの演技との称賛に包まれた。 19世紀のイギリスが舞台。 自殺した若い女性が、怪しい科学者によって命を取り戻す。 ただ、その頭脳は無知な状態になっており、世の中についてイチから学び始める。 原作は、1992年の小説。 スコットランドの作家アラスター・グレイの代表作の一つ。 ランティモス監督は数年前にこの小説を読み、 映画化を切望。 存命だった筆者グレイ氏と会談し、すぐに信頼関係を築いた。 その後「女王陛下のお気に入り」が世界的な成功を果たしたことで、 熱意を抱いてた本作のプロジェクトが実現することとなった。 <予告編▼> |
審査員大賞 |
「悪は存在しない」
濱口竜介監督 (日本) |
監督賞 |
「僕はキャプテン」
マッテオ・ガローネ監督 (イタリア) |
男優賞 |
ピーター・サースガード
「メモリー」 |
女優賞 |
ケイリー・スピーニー
「プリシラ」 |
脚本賞 |
「伯爵」
(チリ) |
日本からの出品 |
<コンペティション部門>
「悪は存在しない」 濱口竜介監督 <オリゾンティ部門> 「ほかげ」 塚本晋也監督 |
部門 | 受賞作 |
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作品賞 |
「美と殺戮のすべて」
ローラ・ポイトラス監督 (アメリカ映画、ドキュメンタリー) ※ドキュメンタリーが作品賞を受賞したのは史上2度目。ポイトラス監督(女性)は「シチズンフォー スノーデンの暴露」でアカデミー賞のドキュメンタリー賞を受賞したことで広く知られる。 本作では、米国の女性写真家ナン・ゴールディンの仕事ぶりを追う。ゴールディンは社会の不正を追及してきた社会派フォトジャーナリストとして尊敬されている。 ゴールディンたちの告発の対象となった富豪一族(サックラー家)の没落にスポットを当てる。サックラー家は、米国の麻薬系鎮痛薬(オピオイド)危機を招いた製薬会社のオーナー。 <予告編▼> |
審査員大賞 |
「サントメール ある被告」
アリス・ディオップ (フランス映画) |
監督賞 |
「ボーンズ アンド オール」
ルカ・グァダニーノ ※伊、英、米の合作。ティモシー・シャラメ主演の青春ホラー映画。グァダニーノ監督はイタリア人。「君の名前で僕を呼んで」などで知られる。 |
男優賞 |
コリン・ファレル
「イニシェリン島の精霊」 |
女優賞 |
ケイト・ブランシェット
「ター(Tar)」 |
脚本賞 |
「イニシェリン島の精霊」
マーティン・マクドナー |
日本からの出品 |
「LOVE LIFE」
深田晃司監督 |
年 | 受賞作品 | 説明 |
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2024 |
「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」
(スペイン映画) <予告編> |
ペドロ・アルモドバル監督。 |
2023 |
「哀れなるものたち」
(イギリス映画) <予告編> |
ヨルゴス・ランティモス監督。
喜劇的なおとぎ話。 科学実験で死から蘇った女性が、自己探求の冒険に出る。 野心的な想像力と、面白みに満ちた奇妙さが、大絶賛を浴びた。 ヨルゴス・ランティモス監督にとって「女王陛下のお気に入り」を超える出来栄えとの声が相次いだ。 また、主演エマ・ストーンについても、「ラ・ラ・ランド」を上回るキャリアベストの演技との称賛に包まれた。 19世紀のイギリスが舞台。 自殺した若い女性が、怪しい科学者によって命を取り戻す。 ただ、その頭脳は無知な状態になっており、世の中についてイチから学び始める。 原作は、1992年の小説。 スコットランドの作家アラスター・グレイの代表作の一つ。 ランティモス監督は数年前にこの小説を読み、 映画化を切望。 存命だった筆者グレイ氏と会談し、すぐに信頼関係を築いた。 その後「女王陛下のお気に入り」が世界的な成功を果たしたことで、 熱意を抱いてた本作のプロジェクトが実現することとなった。 |
2022 |
「美と殺戮のすべて」
(アメリカ映画、ドキュメンタリー) <予告編> |
ローラ・ポイトラス監督。
ドキュメンタリーが作品賞を受賞したのは史上2度目。ポイトラス監督(女性)は「シチズンフォー スノーデンの暴露」でアカデミー賞のドキュメンタリー賞を受賞したことで広く知られる。 本作では、米国の女性写真家ナン・ゴールディンの仕事ぶりを追う。ゴールディンは社会の不正を追及してきた社会派フォトジャーナリストとして尊敬されている。 ゴールディンたちの告発の対象となった富豪一族(サックラー家)の没落にスポットを当てる。サックラー家は、米国の麻薬系鎮痛薬(オピオイド)危機を招いた製薬会社のオーナー。 |
2021 |
「あのこと」
(フランス) 日本公開日:2022年12月2日 <予告編> |
オードレイ・ディバン監督。低予算の独立系映画。 ディバン監督はレバノン出身のフランス人。女性。1980年生まれ。 監督として2作品目。監督になるまではジャーナリスト兼脚本家として活動していた。 |
2020 |
「ノマドランド」
(アメリカ) 予告編→ 字幕版(Amazon)→ 吹替版(Amazon)→ 日本公開:2021年3月26日 |
題名の「ノマド(nomad)」は、遊牧民を意味する。
2008年のリーマンショック不況によって、
家を失った米国ネバダ州の女性の過酷な生活を描く。
季節労働の厳しい仕事を渡り歩く姿は、まさに「現代の遊牧民」。
監督は、中国人女性クロエ・ジャオ。 受賞時点で38歳の若手。アメリカ在住。 小規模予算の映画「ザ・ライダー」(2017)で絶賛された。 主演は大物女優フランシス・マクドーマンド。 |
年 | 受賞作品 | 国 |
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2019 |
「ジョーカー」
予告編→ 字幕版(Amazon)→ 吹替版(Amazon)→ |
アメリカ。 バットマンの悪役でおなじみのジョーカーの過去を描く。 コミック映画として史上初の受賞。 |
2018 |
「ROMA/ローマ」
予告編→ |
アメリカとメキシコ合作 |
2017 |
「シェイプ・オブ・ウォーター」
予告編(Amazon)→ 吹替版(Amazon)→ |
アメリカ |
2016 |
「立ち去った女」
動画配信(アマゾン)→ |
フィリピン
フィリピンのラブ・ディアス監督がトルストイの短編「神は真実を見そなわす」から着想を得て、一人の女性の復讐(ふくしゅう)劇を軸に人間ドラマを描いた。 身に覚えのない殺人罪で30年間も投獄された小学校の女性教師ホラシア。釈放後、家に戻ると、夫は既に亡くなり、息子は行方不明になっていた。受刑者仲間の告白から、かつての恋人が事件の黒幕だと知ったホラシアは、復しゅうの旅に出る。 上映時間は3時間48分。平均5時間超というディアス監督作品では短い。長回しやロングショットを生かし、光と闇、善と悪など人間の本質を描く。 ベネチア映画祭では、ハリウッドの大作「ラ・ラ・ランド」などをさしおいて受賞を果たした。 |
2015 | 「彼方から」 | ベネズエラ |
2014 | 「さよなら、人類」
動画配信(アマゾン)→ |
スウェーデン
ロイ・アンダーソン監督の不条理コメディー。 面白グッズを売り歩くセールスマンの中年コンビが主人公。 吸血鬼の歯や笑い袋などを販売している。 カフェや理髪店などさまざまな場所に出掛けては、つまらなそうにグッズを売り込む。 行く先々で遭遇する奇妙で滑稽な人生の一こまを描く。 一貫した物語はない。何か事件が起きるわけでもない。関連があるのかないのか分からないコントのような短い場面が次から次へとつながっていく。 39のシーンをそれぞれ固定カメラで、しかもすべてCGでなく、スタジオにセットを組んで撮ったという。 シュールなエピソードにあふれている。 |
2013 | 「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」 | イタリア |
2012 | 「嘆きのピエタ」 | 韓国 |
2011 | 「ファウスト」 | ロシア |
2010 | 「SOMEWHERE(サムウェア)」 | アメリカ |
2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | 1930年代 | ページの先頭↑ | 金獅子賞
年 | 受賞作品 | 国 |
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2009 | レバノン | イスラエル、フランス、ドイツ |
2008 | レスラー | アメリカ |
2007 | ラスト、コーション | 台湾、アメリカ、香港、中国 |
2006 | 長江哀歌 | 中国 |
2005 | ブロークバック・マウンテン | アメリカ |
2004 | ヴェラ・ドレイク | イギリス、フランス、ニュージーランド |
2003 | 父、帰る | ロシア |
2002 | マグダレンの祈り | アイルランド、イギリス |
2001 | モンスーン・ウェディング | インド、アメリカ、フランス、イタリア |
2000 | チャドルと生きる | イラン |
2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | 1930年代 | ページの先頭↑ | 金獅子賞
年 | 受賞作品 | 国 |
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1999 | あの子を探して | 中国 |
1998 | いつか来た道 | イタリア |
1997 | HANA-BI | 日本 |
1996 | マイケル・コリンズ | アイルランド、イギリス、アメリカ |
1995 | シクロ | ベトナム、フランス、香港 |
1994 | 愛情萬歳 | 台湾 |
ビフォア・ザ・レイン | マケドニア、イギリス、フランス | |
1993 | トリコロール/青の愛 | フランス、ポーランド、スイス |
ショート・カッツ | アメリカ | |
1992 | 「秋菊の物語」
当時、中国映画界は飛躍を遂げていた。1992年から1993年にかけて、ベネチア、ベルリン、そしてカンヌの世界三大映画祭の作品賞(グランプリ)を獲得した。 経済の開放政策を受けて、中国(本土)、香港、台湾の映画界の間で資金と人の交流が進み、その成果が出た。 監督は、大陸を代表するチャン・イーモウ(張芸謀)。従来の技巧的な映像作品から一転し、リアリズムに徹した。隠しカメラを多用し、素人俳優を重用し、ドキュメンタリーに近い味を出している。 舞台は、大陸北西部の陜西省。主人公は、純朴な農家の嫁の秋菊。秋菊の夫が、村長と口論のすえ、村長に男の急所をけられた。 現代中国のありのままの姿が浮き彫りにされた。農村と都市の対比も描かれている。 |
中国 |
1991 | ウルガ | ロシア、フランス |
1990 | ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ | イギリス |
年 | 受賞作品 | 国 |
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1989 | 悲情城市 | 台湾 |
1988 | 聖なる酔っぱらいの伝説 | イタリア、フランス |
1987 | さよなら子供たち | フランス、西ドイツ |
1986 | 緑の光線 | フランス |
1985 | さすらう女 | フランス |
1984 | 太陽の年 | ポーランド、西ドイツ、アメリカ |
1983 | カルメンという名の女 | フランス、スイス |
1982 | ことの次第 | 西ドイツ、ポルトガル、アメリカ |
1981 | 鉛の時代 | 西ドイツ |
1980 | グロリア | アメリカ |
アトランティック・シティ | カナダ、フランス |
2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | 1930年代 | ページの先頭↑ | 金獅子賞
1969年から1979年までの11年間は、コンクール部門(コンペティション部門)がありませんでした。
年 | 受賞作品 | 国 |
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1969 | 選考なし | 選考なし |
1968 | サーカス小屋の芸人たち 処置なし | 西ドイツ |
1967 | 昼顔 | フランス、イタリア |
1966 | アルジェの戦い | イタリア、アルジェリア |
1965 | 熊座の淡き星影 | イタリア |
1964 | 赤い砂漠 | イタリア、フランス |
1963 | 都会を動かす手 | イタリア |
1962 | 僕の村は戦場だった | ロシア |
家族日誌 | イタリア、アメリカ | |
1961 | 去年マリエンバートで | フランス、イタリア |
1960 | ラインの仮橋 | フランス |
年 | 受賞作品 | 国 |
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1959 | ロベレ将軍 | イタリア |
戦争・はだかの兵隊 | イタリア、フランス | |
1958 | 無法松の一生 | 日本 |
1957 | 大河のうた | インド |
1956 | 該当なし | |
1955 | 奇跡 | デンマーク、ベルギー |
1954 | ロミオとジュリエット | イギリス |
1953 | 該当なし | |
1952 | 禁じられた遊び | フランス |
1951 | 羅生門 | 日本 |
1950 | 裁きは終りぬ | フランス |
2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | 1930年代 | ページの先頭↑ | 金獅子賞
年 | 受賞作品 | 国 |
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1949 | 情婦マノン | フランス |
1948 | ハムレット | イギリス |
1947 | Sirena | チェコスロバキア |
1946 | 南部の人 | アメリカ |
1945 | ある子供 | フランス |
1944 | 華氏911 | アメリカ |
1943 | エレファント | アメリカ |
1942 | Bengasi | イタリア |
偉大なる王者 | ドイツ | |
1941 | La corona di ferro | イタリア |
世界に告ぐ | ドイツ | |
1940 | L'assedio dell'Alcazar | イタリア |
白夜の果てに | ドイツ |
2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | 1930年代 | ページの先頭↑ | 金獅子賞
年 | 受賞作品 | 国 |
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1939 | Abuna Messias | イタリア |
1938 | 空征かば | イタリア |
オリンピア | ドイツ | |
1937 | シピオネ | イタリア |
舞踏会の手帖 | フランス | |
1936 | リビア白騎隊 | イタリア |
Der Kaiser von Kalifornien | ドイツ | |
1935 | おもかげ | イタリア |
アンナ・カレニナ | アメリカ | |
1934 | Teresa Confalonieri | イタリア |
アラン | イギリス | |
1933 | 開催せず | |
1932 | 自由を我等に | フランス |